ごぼうの食物繊維と抗酸化力

 

ごぼうの栄養成分でなんといっても一番豊富なのが食物繊維です。特にごぼうの場合は水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の両方とも豊富に含んでいるのが特徴で、便秘の解消には大きな効果があります。

 

また、不溶性食物繊維となる「リグニン」は、腸内に存在する発ガン性物質を吸着して、大腸ガンの予防効果が期待されています。

 

「イヌリン」も含まれています。これは食物繊維に含まれる炭水化物の一種であり、特にごぼうには豊富に含まれています。血糖値を改善する効果や、ビフィズス菌の成長を促進して整腸効果もあるとされています。更には、ダイエット食品などにもいろいろ利用されている成分です。

 

さて、もうひとつ「抗酸化力」についても説明しなければなりません。料理本のレシピを見ていると、普通は「ごぼうを切って水や酢にさらす」とあります。これはアクを抜くためと、色よく仕上げるためなのですが、実はごぼうを水にさらさない方が健康効果としては高くなるのです。

 

その理由は、ごぼうを水にさらしたときに出てくる茶褐色の水にあります。この茶褐色の水には、ポリフェノールの一種となる「クロロゲン酸」が含まれているのです。クロロゲン酸は抗酸化力が強い成分で、そのため血液をサラサラにする効果があります。生活習慣病の予防や、美白効果、抗がん作用が期待されています。

 

クロロゲン酸は特にごぼうの皮下2~33ミリまでに多くなっており、ゴボウ独特の香り成分も皮の近くに集まっています。従ってごぼうを調理する際は泥だけを洗い落として皮はむかないようにするのがいいのです。